2014年09月28日

逆境経営

先週は旭酒造の桜井社長が書かれた「逆境経営」を読んでいました。旭酒造は、言わずもがなですがすっかり有名になってしまった岩国のお酒“獺祭”を作っている会社です。私が岩国にいた時に酒蔵コンサートというのがあって1回行ったことがあります(たぶん、この会社のはず・・・。なんせ、昔の話で記憶があやふやのうえ、そのころ、この会社は全然有名でなくて、ほんとに田舎の寂れた潰れそうな酒蔵だったもので・・・)。

その私が行った頃に潰れそうな状況だったのを、この桜井社長が立て直して今の獺祭人気を作っています。本を読むと、本当にそのころは大変だったみたいで、それをいかに立て直したがこの本のポイントです。

我々に参考になる話がいくつかありました。

一つはターゲットとする市場です。岩国には市内の方に大きい酒造会社が幾つかあって(旭酒造がある場所はかなり奥地で元々岩国市ではありません)、旭酒造は岩国の市場では完全な負け組でした。桜井さんは岩国近郊の市場での戦いでは勝てる要素が全くないと判断し、大都市圏で勝負することを考え東京などでの販売に切り替えています。

製造業は作るのも大事ですが、売れなければどうしようもありません。その出口戦略、どこで戦うか、どこで売れば売れそうか、ということは非常に重要です。今年度の葉山の研修もマーケティングがテーマになっていますが、売るところを考えたうえでの開発、ということを心がけなければなりません。もちろん、それを全部自前で行う必要はなく(当然新市場は当社が得意ではないので)、他社と組むのは構いませんが、その場合は複数社と組むことを考えなければなりません。でないと、その頼りにしていた1社が逃げてしまうとその事業自体が立ち行かなくなるからです(先日聞いたのですがセロビースは元々ユニチカと組んでいたそうです。で、逃げられたので、今の状態らしい。しかし、ケミカルの案件は一本足打法のものが多いなー。)

二つ目が、目的と目標の設定で、旭酒造は純米吟醸しか作りませんが、それは商売の目的を「お客様が“うまい”と言ってくれる酒を造る」と設定し、それが出来て自社が他社に対して戦える商品として“純米吟醸”を選択しています。そこら辺に売っている大手が作っている安い日本酒は廃糖蜜から作った醸造用アルコールをがばがば添加した普通酒とか三増酒と呼ばれるもので、まずいだけでなく日本の食文化のお酒として世界に出せるようなものではありません。普通酒で勝負しようとすると、大量生産の価格勝負の世界になってしまうので、そこの市場は避けて、品質勝負の世界で戦うことを選んだ、ということです。

市場を意識した時に、お客様がどういったものを買ってくれるのか、どういうものが欲しいのか、といった“needs”や“wants”をきちんと抑えることと、その中で自分たちがどこで戦えるか、自分たちの強みを活かした戦場はどこか、ということを踏まえて選択することが重要です(その前提として、当然自分たちの強みが何か、ということを把握しておかなければなりません)。

三つめが製造方法についてです。日本酒造りは通常は経営者や社員は担当せず、杜氏と呼ぶいわゆる季節労働者(農家の農閑期の副業)的な方々の長年の経験と勘によるところが大きいのですが、旭酒造は杜氏さんが(経営難により)逃げたため、社員が酒造りをしています。素人が作るので、徹底したマニュアル化と工程の管理をして、誰が作っても同じ品質の酒ができるようにしているそうです。

製造においては、誰がやっても同じように同品質の商品を安定して、さらに効率良く生産することが重要です。その為には、きちんとしたマニュアルを準備し、極端に言えば何も知らない素人でもできるように形式知に落とし込んで共有化、管理していくことが重要になります。研究所で言うと作業標準ですが、あれをきちんと作っておくと転入者や新入社員でもすぐに実験が行えうようになり、また、個人によってデータのばらつきがある、なんとことはないことになります。

四つ目が社会貢献の話で、本の中では盛んに“食文化・酒文化に貢献”ということが書かれており、ワインのように世界中に日本酒の良さを広めたいと考えておられるようでした(そのために、パリに獺祭の飲めるレストランを開業しています)。

社会貢献というと、いわゆるメセナ活動やボランティアなどをイメージしがちですが、そもそも企業はその企業活動を通じて社会の役に立つ=貢献するのが根本です。製紙会社は紙を製造・販売することで社会の役に立つのが本来ですが、当社の場合、主力である情報伝達媒体としても紙の地位がネットなどの普及により相対的に低下したため、社会の中で役割の重要度が下がり現在の状況になっています。その為、製造業として社会的価値の低下していない製品の製造にシフトしていくのが、現在の流れです。

開発をする時に目の前の価値としては、会社がいかに儲かるか、ということを考えますが、同時にもっと大きい目で見て、社会にとってそれが価値があるか、貢献できるか、ということは常に意識しておかなければなりません。短期的に会社が儲かっても、社会的にその存在意義がないものは結局は長続きしません。

最後に本著の中で印象に残った言葉を二つ紹介します。
「企業である限り社会に貢献しなければ存続する価値は無い」
「人も企業も「味方」がいて「調子のよいとき」というのは成長しません。「敵」に囲まれ「ピンチのとき」こそ、成長させてくれる。」



posted by もりもり at 20:21| Comment(0) | TrackBack(0) | ビジネス書レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月21日

今やる人になる40の習慣

「今やる人になる40の習慣」という本を読んでいました。著者は林 修先生、「いつやるか?今でしょ!」の台詞で有名な東進ハイスクールの先生です。

本書では先生の台詞の通り、何事にもグズグズしないで、『今やる!』ことの重要性を説いています。そしてその為の心がけなければならない習慣をタイトル通り40挙げています。

最初に挙げているのが“デスクを「戦闘態勢」に変えておく”、つまり机の上を整理整頓しておきなさい、ということです。ただしこれはあくまで“戦闘にすぐ取りかかれるような状態しておく”という意味合いで、机の上から何も無くしろ、ということではありません。一方で、「一か月も使っていないようなものは、少なくともデスクの上に出しておく必要はありません。」とも書かれています。要は使うものは机の上に、使わないものは棚にしまうか捨てなさい、ということです。

先週の安全パトロールでもやはりあちこちに古いサンプルが残っているのを見つけました。これも皆さん「いつか使うだろう」といって残して起きがちですが、一定期間経っても使わないものは使わないものです。先週に書いていたムダを切り捨てるのと同じことです。また、この本に限らず整理整頓本の最初にあるのが“不要なものを捨てる”ということです。まずは、そこから始めましょう。

もう一つ紹介すると、「コミュニケーションの取り方を使い分ける」ことが挙げられていました。現在のビジネスシーンにおいて、相手と連絡を取ったり、交渉をしたりする際のコミュニケーション方法は、主に1.メール、2.電話、3.対面交渉(=直接会う)の三つだと思います。これらをそれぞれの長短を把握して使い分けなければなりませんがこの本ではその相違を、記録性、利便性、拘束力の三つの観点から捉えています。拘束力とはちょっと分かりにくいですが、ある手法を用いてコミュニケーションを取った際に、どの程度相手を支配できるか、あるいは相手の自由を束縛できるかの度合い、と考えてください。

 ・メール 記録性=◎ 利便性=◎ 拘束力=× 
欠点は拘束力の弱さ、すなわち、自分の要求が相手に本当に伝わっているかどうかもわからないし、また、相手に無視されてしまうと、そもそもコミュニケーションが成立しません。そういう意味では、ちゃんと伝わったことを相手に理解してもらうために、メールは受け取ったらすぐに返信(回答できなくても受け取ったことだけでも伝える)が必要になります。

 ・電話 記録性=× 利便性=○ 拘束力=○ 
最近はメールが普及したおかげで位置づけが微妙になっていますが、メールと組み合わせて使うとか、記録性が無いとか、本来なら対面交渉を行うべき相手が、遠隔地にいるがゆえに、電話で交渉するというケースなどに使用するケースがあると思います。

 ・対面交渉(=直接会う) 記録性=○ 利便性=× 拘束力=◎ 
交渉や討論する場合はこれが一番でしょう。相手からすればわざわざ来てくれた、というように感じるので、何か事が起きた場合には、「できる」人は、ただちに相手のところに飛んでいくのです。

上の使い分けは林先生の意見ですが、私としては、最近はメールに頼りすぎているような感じがしています。色々見ていると長々書かれたメールは打つのにも時間がかかるので、そういうのは電話でさっさと連絡した方が良いのでは?と思うことも度々あります。事務連絡などの記録を残すものやファイルを送付するのはメールですが、討論するものは電話か対面交渉だと思います。長々と文章で何回もメールで交渉しているのをたまに見ますが、それならば他の方法でやればよいのに、と思います。要は効率性と記録性を見ながらの使い分けだと思います。

もう一つ、「努力はベクトル量と考える」ということがありました。努力をしても方向が間違っていれば、期待した結果が得られ無い、という話です。確かに料理人になりたい人が毎日10km走って努力しても、何時間も料理を作り続けられる体力はつくかもしれませんが料理はうまくならない。やはり料理人になるためには料理の勉強をするのが正しい方向です。間違った方向での努力では意味がなく、自分はこれだけ努力しているのにと不満だけが溜まるのです。まず、この方向でよいのか、もし、確信が持てなければすぐにアドバイスを求め修正する必要があります。

最後に習慣では無いですが、この本に書いてあった面白いことなんですが、ランクの落ちる大学の合格者に聞くと、「かなり勉強した」、「相当勉強した」という回答が非常に多く出るという特徴があるそうです。逆にランクの高い大学に行った人ほど、勉強をしたと感じないようです。実際には一日8時間以上勉強しているので、勉強はしているのですが、本人は当然と感じているので自分は努力している、なんて感じないようです。他の人からみると大変なことでも本人が当たり前と感じている努力が、成功の秘訣なのかな?と思いました。


posted by もりもり at 18:07| Comment(0) | TrackBack(0) | ビジネス考 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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