2012年05月13日

100円のコーラを1000円で売る方法

「100円のコーラを1000円で売る方法」という本を読んでいました。結構売れている本なので、読んだ方もいるかもしれません。マーケティング理論を小説として分かりやすくまとめていますので、マーケティングについて知らない人がさっくり読んで、広く浅く理解するのに便利だと思います(もしドラと同じ類の本だと思って頂ければ良いです)。我々は技術屋なのでこの分野を深く知る必要はありませんが、最終的に商品に繋げる為にはある程度この分野の知識は必要だと思っています。

第1章が「アメリカの鉄道会社はなぜ衰退したのか?−事業の定義」でした。私はアメリカに行ったことありませんが、アメリカではあの広い大陸の移動手段として鉄道はほとんど走っていないそうです。なぜ、そうなったのか?これは、単純に言えば他の交通手段にお客を取られたからで、さらに事業やマネジメントの観点からすれば鉄道会社が自分たちの事業を“輸送事業”と捉えず“鉄道事業”と捉えていたからです。つまり、お客が飛行機やバスなどの他の移動・輸送手段を使っても自分たちは鉄道会社なので関係ないと思って対応しなかった為です。

市場や機能の観点から見た場合、現在市場統計から見られる分類よりももっと広い範囲で市場を見ておく必要があります。例えば、私が昔インクジェット(IJ)プリンター関係の仕事をしていました。C社向けの仕事をしていましたが、その場合競合するものとしてはE社向けのものことを考えてしまいます。しかし、プリンターを例えば”写真をプリントする道具“と考えると、IJだけでなく電子写真や昇華型も対象になってきます。さらに、“写真を表示する道具”と考えるとパソコンやスマホ、デジタルフォトフレームも競合商品となります。

もちろん、位置が近いものはしょっちゅう視野に入れておかなければなりませんし、離れているものは視野の隅に入れて置き、時々チェックする程度で良いと思います。いずれにせよ、製品の開発において技術屋はどうしてもシーズから入ってしまいがちですが、ニーズのことも気にしながら開発は進めなければなりません。それを心がけておいて下さい。


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2012年04月21日

成功を確信することが成功の第一歩である

今週(4/15〜21)のカレンダーの言葉はアメリカの哲学者・牧師ロバート・シュラーの
「成功を確信することが成功の第一歩である。」でした。

“成功を確信しなければ、大丈夫だろうかとおっかなびっくりで事を進めることになり、必ずしも成功するとは限らない。自信をもって事を進めるべきである。”

“人は感情の動物である”といわれます。人の行動は感情・心の持ち方に左右されます。成功する為にはまずは自分がそう信じなければ事が進みません。“鰯の頭も信心から”と言いますが、まずは思い込むこと、妄想から始めましょう。




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2012年04月15日

JAL123便事故−安全工学の視点から検証する−

「JAL123便事故−安全工学の視点から検証する−」という本を読みました。

内容は山崎豊子の小説「沈まぬ太陽」の元になった日本航空機が群馬の御巣鷹山に墜落した事故(私が大学入学した年なので若い人は知らないのでしょうが)の事故原因調査の話です。「安全工学の視点から検証する」のサブタイトル通り、事故の原因調査の経緯だけでなく原因となった圧力隔壁損失の科学的検証、さらに再発防止策についてまで書かれています。安全活動を考える上で面白かった点を幾つか書かせて頂きます。

一つは事故原因にたどり着くまでの時間と方法です。航空機事故の原因調査には国際ルールがあり、その事故が起きた国が主体となって調査することになっているそうです。つまり、日本国政府が主体になって調査します。一方で、事故が起きた機体はボーイング社のものです。従って、ボーイング社は独自に機体に原因がないのか調査しました。

ボーイング社では全世界中の自社製の機体のカルテを一括管理しているそうです。すると、件の事故機はさらに7年前にしりもち事故を起こしておりその際破損した後部隔壁の修理にミスがあったのではないかという疑惑に(たぶん)2,3日でたどり着いたようです。一方で、そういった情報のない日本側では事故現場をしらみつぶしに捜して機体の破片やブラックボックス、ボイスレコーダーを集めるといった手順を踏んだのでいつまで経っても原因が分からなかったとのこと。安全に限りませんが、基本となるデータはきちんと整理して保管しておくことの重要性がわかります。

次に上げられるのが、原因調査での日米のスタンスの違いです。上記のように、事故原因として後部圧力隔壁の修理ミスが疑われました。次には修理したメンバーにどういう修理をしたかを聞くことになるのですが、日本ではこの様な場合なかなか真実の話は出てきません。

著者の寺田氏も述べられていますが、こういった事故の原因調査の目的は犯人探しをすることではなく、本当の事故原因を明らかしに対策を講じることで事故の再発を防ぐことです。しかし、日本ではどうしてもそういう論調にならず犯人探しに走ります(特にこの様な大きな事故の場合、マスコミはその様に世論を誘導しますし、司法側もそういう動きをします)。自ずと、原因となった対象の方は口を閉ざさざるをえなくなり、真実は闇の中に・・・、ということになりがちです。

一方で、アメリカでは上の原因解明が犯人探しよりも優先するという考えの元、司法取引というシステムがあるので対象の人間も真実を語りやすくなります。事実この事故でも、アメリカ側が修理を行ったメンバーにヒアリングした結果、どういった作業を行い、どういったミスがあったのか明らかになっています。その一方で、ミスがあった作業を誰が行ったのかは一切公表されていません。

 仕事の上でも「悪い情報ほど早く上に報告しろ」ということが言われますが、大事なのは失敗したこと、悪いことを再発させないことです。その為には、できるだけ早く報告し、原因究明していち早く対策を立てることです。皆さん心がけて下さい。




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